有痛性外脛骨障害とは何ですか?
有痛性外脛骨障害とは何ですか?
外脛骨とは足を構成する骨の一つである舟状骨の内側に
位置する余分な骨(過剰骨)のことをいいます。 約15%の人に存在すると言われていて、思春期の 運動量の多くなる小中学生の時期の特に女性に 多く発症するとされています。また、成人では 捻挫などの外傷が原因で痛みが発症することもあります。 今回は足の内側に痛みがあって来院された女子中学生の症例をご紹介させて頂きます。 陸上の部活をされている女子中学3年生の患者様で、走り込みの際に 足の内側に痛みがあると訴えられ来院されました。 痛みの出る場所と年齢・問診時のお話から 有痛性外脛骨の疑いがあり、 腫脹(腫れ)、疼痛(痛み)、圧痛(押したときに痛む)の 症状がありました。 治療はまずは炎症症状を抑えるためアイシング超音波を行いつつ、 ふくらはぎ・足回りを中心に下肢の筋緊張を緩和させるため、 マッサージやストレッチを行い、さらに疼痛緩和のために ハイボルテージ・テーピング療法などを施療し 回復力のUPと疼痛コントロールを行いました。 ただ、一番の治療は痛みのある間は運動を中止し 足を休ませることです。 炎症が強く熱をもっている場合は、 腫れた部分を氷嚢で冷やすことも大切です。 幸い大会が近くなかったので、 休ませることの重要性をご理解いただくことに 最大限の注意を図ったところ、徐々に炎症が収まり、 痛みが引いてきたので、ストレッチを指導し、 再発を予防する上で足の裏の筋力強化方法をお伝えしました。 |
有痛性外脛骨障害はどうして起こるのか?
どんなスポーツでも起こりますが、陸上・サッカーなどの
よく走る競技で多く見られます。
舟状骨は後脛骨筋と呼ばれる
ふくらはぎにある筋肉の付着部になっており、
下腿の筋肉が強度の運動により疲労し硬くなっていると、
後脛骨筋腱が引っ張られ外脛骨に炎症が起きてしまいます。
捻挫などの外傷、硬い靴・合わない靴などによる
圧迫などでも痛みが発生することもあります。
とくに外脛骨が突出している形状の人や
偏平足では負担がかかりやすいため、
長時間の歩行や立ち仕事などでも痛みを生じることがあります。
有痛性外脛骨障害の治療は?
まずは安静が第一です。
炎症が強く熱をもっている場合は、
腫れた部分を氷嚢で冷やし、湿布などで炎症を抑えます。
痛みが引いてきたら、
足裏の筋力強化やふくらはぎの筋肉の柔軟性を高め、
ストレッチをして柔らかくすることも重要です。
なぜなら痛みが治まっても
下腿の筋肉が硬ければ
後脛骨筋腱が引っ張られて
すぐにまた痛みを再発させてしまうからです。
大人の場合は靴のチェックも大切です。
硬い靴や合わない靴で患部を圧迫するような
靴は避け、幅が広い靴など靴選びも大切です。
偏平足や回内足には、サポーターや
テーピング療法で対応もできます。
前述のような対処をしても、痛みが治まらない場合や
再発を繰り返す場合には、外脛骨を取り除く
手術をすることもありますので
近隣の整形外科クリニックをご紹介させていただきます。
参考になれば幸いです。